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【鉄道車両基礎講座】 その7 電圧の基礎知識

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 前回の基礎講座では、「電荷」や「電子」「電流」について説明しました。

「電圧」については、以前の記事の中で、「電圧とは、電気を押し出そうとする力」と記載しましたが、今回はもう少し深く掘り下げてみたいと思います。

 

位置エネルギーについて

まずは、「エネルギー」という言葉の定義から話を進めます。

「エネルギー」とは、一般には「元気」とか「精力」とか「力の源(みなもと)」のような意味で使われていますが、本来、エネルギーとは「物体内部に蓄えられた仕事をする能力」と定義されています。

しかしながら、物理学では「エネルギーとは物体が仕事をする能力とされ、たとえその仕事が外部から与えられた力によって行われたものであっても、その物体の潜在能力(=エネルギー)として捉えられます。

そのひとつが「位置エネルギ-」です。

中学の理科(物理)の授業でも出てくる内容ですが、「位置エネルギー重力場のある地球上では、高い位置にある物体が持つ潜在エネルギーである」とされています。

例えば、ボールをある高さまで持ち上げ、ボールから手を静かに離すとボールは下に落ちます。

普通に考えれば、これは、ボールが重力によって地球に引っ張られた結果であり、ボールそのものに動く力があって、ボールが運動をしたわけではないということになります。

「ボールという物体を地面まで引っ張る」という仕事を地球が行ったのです。

しかしながら、物理学の世界ではこのようには考えません。

ボールに落下できる力(潜在エネルギー)があり、落下はボールが行った運動(=仕事)であると考えます。

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地上から1mの高さに上げられたボールは、1m下の地上まで移動するという仕事をできるエネルギーを持っていて、このエネルギーのことを「位置エネルギー」といいます

重力場においては、その物体の置かれた位置が高ければ高いほど、位置エネルギーは大きくなります。

例えば、高さ1mの位置(A地点)にあるボールを高さ2mの位置(B地点)まで持ち上げたとき、手を離したときに地上まで移動する距離はB地点の方が長い(「落下したときの運動エネルギーは大きい」=「仕事量が大きい」)ので、A地点よりもB地点の方が位置エネルギーは高いことになります。

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 電位差と電圧について

この「位置エネルギー」の考え方は、電気の流れにおいても同様です。

前回の記事の中で、「電荷」と「クーロンの法則」について説明しました。

例えば、ある何もない空間に正電荷aを固定したとします。

その電荷aの周りには「電場(電界)」と呼ばれる空間が発生し、正電荷aは電場の中にある他の電荷に対してクーロンの法則により電気的な影響(力)を加えようとします。

その影響は電荷aに近ければ近いほど大きく(電場は強く)、遠ければ遠いほど小さく(電場は弱く)なります。

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仮に正電荷aのある位置(A地点)から離れた電場内のB地点に負電荷bを置いたとします。

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その場合、正電荷aは負電荷bに対して引力を発生させますので、このB地点には位置エネルギーが発生します。

さらに負電荷bをB地点からより遠くのC地点に移動させたとき、負電荷bが引力で正電荷aに引っ張られた場合の距離は遠くなる(仕事量が大きくなる)ので、C地点はB地点よりも位置エネルギーは大きくなります。

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この電気的な位置エネルギーのことを「電位」といいます。

C地点はB地点よりも電位が高く、C地点とB地点間には「電位差」が発生していますが、この「電位差」のことを「電圧」といいます。

つまり、「電圧」とは「電位差」のことを指しています。

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 上記の場合、実際には負電荷b側にも「電場」が発生し、正電荷aに対して引力が発生し、その周りにも多くの電荷は存在し互いに影響しあうので、もっと複雑になるとは思いますが、「電気的な位置エネルギー=電位」の基本な考え方はこのようなものです。

 例えば、同じ高さの位置に2つの水槽(AとB)があり、その水槽の下の部分がパイプで繋がっていて、両方に同じ水位の水が入っているとします。

 この場合、この2つの水槽の間に水の流れは発生しません。

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もし、水槽Bを水槽Aのよりも高い位置に持ち上げたとき、水槽Aの水位と水槽Bの水位の間には、高さ的な差(水位差)が発生します。

この状態の場合、水は、水位の高い水槽Bから水位の低い水槽Aの方へ流れます。

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「水は、水位差が発生すると、水位の高い方から低い方へ流れます。」

このことは、電気ので流れにおいても同様です。

「電気は、電位差(=電圧)が発生すると、電位の高いところから電位の低いところへ流れます。」

話を整理すると、電圧の定義は以下のとおりになります。

「電圧とは、2点間の電位差のことである。」

以前の記事で説明したとおり、電圧の単位は「V(ボルト)」です。

新品で1.5Vのアルカリ乾電池は、プラス極とマイナス極の間の電位差が1.5Vあります。

その為、この2点を導線でつなぐと回路が構築され、プラス極からマイナス極に電気が流れるのです。

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ところで、電位の基準についてですが、

電気工学においては、回路上の1点を0Vと定めるのが一般的です。

特に、送電や配電など比較的高電圧の場合は、地上(アース)の電位を基準に定めています。

電圧を調べる場合は、必ず回路上の2点の電位を測定することになります。