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【鉄道車両基礎講座】 その8 直流電化方式と交流電化方式

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↑ 常磐線で運用されるE531系は直流電化・交流電化の双方に対応した交直流電車です。

「直流」と「交流」について

電気の流れ方には、「直流」と「交流」の2種類があります。

「直流」と「交流」とでは電流や電圧などで性質が異なり、電気機械はそれぞれの特性にあった仕組みでなければなりません。

「直流」とは、時間によってその向きや大きさ(電流)や勢い(電圧)が変化しない電気の流れのことをいいます。

直流の代表的な例は乾電池です。

前回までの電気の説明の中で取り上げてきた、乾電池と豆電球を使った電気の流れは直流です。

1.5Vの乾電池で構築された電気回路は、電流は乾電池のプラス極からマイナス極へ流れ(電子はマイナス極からプラス極へ流れ)、その電圧は一定です。

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これに対して「交流」というのは、その流れる向きや電流・電圧が周期的に変化する電流の流れのことをいいます。

この流れでは、同じリズムで電気の向きが交互に変わりながら電気が流れます。

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電力会社から一般家庭に供給される電気は交流です。

部屋の壁にあるコンセントに電源プラグを指して使用する電化製品は、プラグをコンセントにある穴のどちら向きにさしても、問題なく使用できます。

交流の電気は、プラスとマイナスの方向が一定でない為、プラグをさす向きを気にする必要がないのです。

交流電圧の瞬間の値を瞬時値といい、その値が最も高い値を最高値といいます。

直流の場合、電圧が一定のためその平均値を計測し電気的効果を求めることができますが、交流の電圧は常に変化しており、電流の流れる方向も1サイクルの中で正(+)と負(-)が逆転するため、平均値を求めると値がゼロになってしまいます。

そのため、その交流の電圧や電流をエネルギー的に等価な直流に置き換えた値を「実効値」と定義し、この実効値によって交流の電気的効果を求めることとされています。

実効値の具体的な求め方については、専門的で難しいのでここでは触れませんが、交流電力の計算で使用される電圧・電流は、通常は実効値で表示されることを覚えておきましょう。

 

「直流電化方式」と「交流電化方式」

「鉄道の電化」においては、「直流」を用いる方式(直流電化方式)と「交流」を用いる方式(交流電化方式)の2種類ありますが、日本では両方存在します。

JR(旧国鉄)の在来線では、東京・名古屋・大阪を中心とした都市部や、東海道本線山陽本線中央本線など、比較的古くから電化されて路線や区間のほとんどが直流電化方式です。

一方、東北や九州、北海道などの地域では、一部を除き、交流電化方式が採用されています。

新幹線は交流電化、私鉄は例外を除いてほとんどが直流電化です。

電車や電気機関車など、電化を動力源として用いる鉄道を「電気鉄道」と言いますが、この「電気鉄道」というのは、直流電源を用いることから始まっています。

電車を走らせる、あるいは加減速や停車を行うといった操作を行うには、これらの動作に合わせて電気をうまく制御しながら使用することか重要となってきますが、このようなときは、電圧や電気が変動する「交流」よりも、常に一定である「直流」の方が扱い易く、交流による電車の制御は技術的に難しかったのです。

そのため、古くから電化された区間や民間私鉄では、直流で電化されています。

交流電化については、直流に比べて地上設備のコストが抑えられるというのは理由から、1953年頃から研究が開始され、1957年から仙山線の仙台-作並間で営業運転を開始、その後、まだ非電化だった東北・九州・北海道・北陸などが交流電化方式により工事が進められました。

しかしながら、その後の技術の発達や状況の変化などにより交流電化のメリットが薄れ、1980年代以降に電化された四国や山陰本線などでは、直流電化が採用されています。

直流電化と交流電化の違いやメリット・デメリットなどについては、それぞれの電気の特性などと合わせながら、今後さらに深く掘り下げて説明をしたいと思います。

 

電化方式による電車の分類

 路線の電化方式や電圧の違いによって、そこで運用される車両も当然異なります。

これは電車だけでなく電気機関車でも同様ですが、電気機関車について今後別の形で取り上げることとし、当面は電車を中心に説明をします。

電車は、運用可能な電化方式の違いにより、「直流型電車」「交流型電車」「交直流電車」の3種類に分類することができます

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「交直流電車」は直流電化区間と交流電化区間の双方を走行できる構造を持ち、「交流直流両用電車」とか「交直流両用電車」など称されることもあります。

例えば、首都圏を走るJRの一般形電車の中では、常磐線で運用される「E531系」が交直流電車です。

E531系は、直流一般形電車の標準車両として他線で増備を続けてきたE231系をベースとした車両ですが、交流区間対応の設備や機器搭載が必要で、その分製造コストや保守メンテナンスのコストが高くなります。

JRの首都圏近郊路線はほとんどが直流電化ですが、常磐線の場合は日暮里から取手までが直流電化で、それ以北は交流電化のため直流形の電車は運用することができず、この区間を直通する列車を運行するためには、よりコストの高い交直流電車を導入する必要があるのです。

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常磐線では、利用者が取手以南(上野方面)で利用者が多くなることから、取手止まりの快速列車(常磐快速)も運行していますが、こちらは直流型電車のE231系で運用され、それより北(土浦・水戸方面)の交流区間に直通する列車(中距離列車)でE531系を使用しています。

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 ↑ 交流区間を直通する中距離列車では交直流電車のE531系で運用されています。

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 ↑ 直流区間のみを走行する常磐快速では、直流型電車のE231系で運用されています。