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【鉄道車両基礎講座】 その13 直流電動機

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↑ 20世紀後半までは、電車・電気機関車の主電動機はそのほとんどが直流電動機でした。

かつての電車・電気機関車の主電動機は、そのほとんど全てが直流電動機であったことは、以前の記事で説明しました。

今回は、直流電動機の動く仕組みについて説明します。

まずは小学校で習った磁石(永久磁石)を思い出してください。

永久磁石を二つ並べたとき、N極とS極では、異なる極同士であれば引き付け合い、同じ極同士であれば反発しますが、この力を磁力又は磁気力といいます。
このとき、N極からS極に磁力線が出ていますが、この集まりのようなものを「磁束」といいます。

例えば、永久磁石のN極とS極が以下のように配置されると、磁束は常にN極からS極に向かって発生します。

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この二つの永久磁石の間に細長い導体を置き電流を流すと、導体に対して「力」が発生します。

このときの、「電流」・「磁束」・導体にかかる「力」の方向は決まっていて、「フレミングの左手の法則」で説明できます。

この法則は、おそらく中学か高校の理科(物理)の時間に習ったような気がします。

左手の親指・人差し指・中指をそれぞれ直角に開いたとき、親指が力の方向、人差し指が磁束の方向、中指が電流の方向になります。

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この法則に従い、図では導体には上向きに力が加わることになります。

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直流電動機では、この法則を利用します。

左右の永久磁石の間に図のようなコイルを配置し電流を流すと、コイルの左右にそれぞれ図のように上向きと下向きの力が発生し、コイルは半回転しようとします。

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ここで、電気回路とコイルの間に接続点に「ブラシ」と呼ばれる金属片を取り付け、コイルには「整流子」と呼ばれるパイプを半割にしたような金属片を取り付けます。

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回路に電流を流すと、ブラシと接続している整流子を経由してコイルに電流が流れ、コイルは回転を始めます。

コイルが半回転したところでブラシと接続する整流子が切り替わり、その極性が反対になるため、コイルは引き続き同じ方向に力が作用し、グルグルと回転します。

このように、ブラシと整流子を使えばコイルは回転するのですが、コイルが垂直になったところでは作用するの力はゼロになり、回転の勢いは不規則になってしまいます。

そのため、より確実な回転力を得るためには、更にコイルと整流子を追加することが必要となります。

実際の直流電動機では、整流子を3個にして3つのコイルを120度間隔に配置したものが一般的に普及していますが、この方式であれば3つのコイルのうち1つは必ず電流が流れることなり、常時回転力を得ることができます。

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このような電動機(モータ)を「ブラシ付きモータ」といいます。

ところで、これまでN極とS極の二つの永久磁石を用いて説明を行ってきましたが、これら永久磁石のように、磁力(磁気力)を伴うような空間(磁界)を発生させるものを「界磁」といいます。

実際に直流電動機の「界磁」で永久磁石が使用されるのは、小型のモーターに限られた、通常は電磁石が使用されます。

また、界磁の間にあるコイルは、電流が流れることにより、回転力(トルク)を発生させ、クルクルと回転することになるのですが、このようにものを「電機子」といいます。

電動機では、中で回転する部分を「回転子」、その周りで回転子を回す力を発生させる部分を「固定子」といいます。

従い、直流電動機では「固定子=界磁」「回転子=電機子」ということになります(交流電動機の場合は異なります。)

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次回は直流電動機の続きと抵抗制御方式について記載する予定です。