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【鉄道車両基礎講座】 その11 電気抵抗と直流電動機

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 ↑ 直流電動機を使用し抵抗制御方式を採用していた113系。国鉄時代ので電車は、抵抗制御方式が主流でした。

今回は、また少し本題から外れて、小中学校で習った電気の知識の復習から入ります。

 

電気抵抗について

世の中の物質には、銅や鉄などのように電気をよく通すものと、陶磁器やゴムのように電気を通しにくいものがあります。

このうち、前者を「伝導体」又は「導体」と呼び、後者を「絶縁体」と呼びます。

また、導体と絶縁体の中間の性質を持つものを「半導体と呼びます。

物質には、電気の流れを妨げようとする性質、電気を流れにくくする性質があり、この性質のことを「抵抗」又は「電気抵抗」と呼びます。

銅や鉄などの導体は「電気抵抗」が小さく、陶磁器や「電気抵抗」が大きいことになります。

伝導体として広く利用されていのは、銅やアルミニウムなどで、電気を送電するための電線や電気製品のコードなどに使われています。

鉄道の架線電車方式における架線、その中で電車のパンタグラフ接触して電力を供給するトロリー線では、銅(純銅)や、銅にすず・クロム・ジルコニウム・硅素などを混ぜ、強度を増したものが使われています。

ところで、電気の流れにおける「抵抗」の働くイメージは、水の流れに置き換えるとわかりやすいと思います。

例えば、AとBの2つの水の流れ(川)があったとします。

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水の流れに対して抵抗のないAの川は、上流からの水はそのままストレートに下流に流れますが、Bの川の場合は、途中で水路の幅を狭めている(=抵抗を設けている)ため、ここを通過するときに水の量は減ります。

このように、電気の流れが構築された回路の中に「抵抗」を設けると、電気の流れを制限することができます。

電気回路において、一定の抵抗を得る為に作られた電気部品を「抵抗器」と呼んでいます。

抵抗の単位は、「Ω(オーム)」です。

 

オームの法則

電流と電圧、抵抗の関係を簡単に説明すると、以下のようになります。

「電流は電圧に比例し、抵抗に反比例する」

・電圧が高くなれば、電流も高くなる。

・抵抗が高くなれば、電流は低くなる。

これを、オームの法則といいます。

 

オームの法則は、水鉄砲に例えて説明されることが多いです。

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図では注射器のような水鉄砲ですが、水を入れて、後ろから押すと水が飛び出すタイプです。

電流:鉄砲から飛び出る水の量。

電圧:後ろから水を押す力。

抵抗:水鉄砲出口の穴の大きさ

出口の穴の大きさ(抵抗)が同じであれば、後ろから押す力(電圧)が大きければ大きいほど、水の量(電流)は多く(大きく)なります。

後ろから押す力(電圧)が同じであれば、出口の穴が小さければ小さいほど(抵抗が大きければ大きいほど)、水の量(電流)は少なく(小さく)なります。

 

 オームの法則を公式で表すと次のとおりです。

V(電圧)=I(電流)×R(抵抗)

 

直流電動機と抵抗制御

それでは、上記の「電気抵抗」と「オームの法則」を踏まえ、電車の話に戻ります。

電車は電動機(電気モーター)を回して走行します。

電車には、走行用以外でも電動発電機(MG)なども搭載されていますが、特に走行用の電動機を主電動機と呼んでいます。

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↑ 主電動機(写真は251系用MT61型)

主電動機には、使用する電気の種類により、直流電動機交流電動機に分類できますが、古くから使用されてきたのは、直流電動機です。

直流は電圧が一定であり扱いやすいのですが、交流は電圧や電流の向きが周期的に変わる為、主電動機による速度の細かい制御が難しかったのです。

 その為、20年ぐらい前までは主電動機はそのほとんどが直流電動機でした。

日本の電気鉄道が直流電化で始まり、1950年代までは、直流電化のみで発展してきた理由は、電車や電気機関車などで使われていた主電動機が全て直流用であったことが大きな理由の一つです。

また、1955年以降導入された交流電化においても、運用される電車や電気機関車は直流電動機を搭載し、架線から取り込んだ交流電気を車内で直流に変換して使用していました。

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↑ かつて交流区間の北海道地区で運用されていた711系も、直流電動機を使用していました。抵抗制御ではありません。)

現在の電車・電気機関車では、交流電動機が主流となっていますが、交流電動機が本格的に用いられるようになったのは、1980年代後半以降のことです。

 電車を運用するには、止まる、加速する、減速するといった動きを自由に操ることが必要で、搭載された主電動機に流す電気(電流)を自由にコントロール制御できなければなりません。

この電気の制御の方法として、電車では古くから抵抗器が用いられてきました。主電動機の動きに合わせ、送り込む電流の量を調節するときは、オームの法則に従い電圧を変更します。

このとき、主電動機に至る電気回路の途中に抵抗器を仕込み、流れる電気にかける抵抗を増減することで、電圧を変更します。

このような主電動機の制御方式を「抵抗制御」といいます。

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↑ 最後の国鉄型特急電車となった185系も抵抗制御方式を採用しています。