キハ110系は、老朽化した旧型気動車の置き換えを目的にJR東日本が開発した一般型のディーゼルカーで、1990年の試作車を経て、翌1991年には量産化が開始されました。
本系列としては、同時期に開発されたキハ100系が16m級車体で両運転台車であるのに対して、キハ110系は20m級車体で設計され、両運転台車と片運転台車が製造されました。
車体は普通鋼製ながら、車体強度に関係ない部分の徹底した肉抜き(軽量穴)と側面窓の固定化・客用扉のプラグドア化により側鋼体を50mmと従来よりも薄くし、キハ40系よりに対して約25%の軽量化が図られました。
エンジンと液体変速機は、試作車では数タイプが試用されましたが、その後初期の一部を除き、高出力で直噴式のDMF14HZA(420ps)が搭載されました。
台車はボルスタレス式の空気バネ台車が採用されました。
キハ110系では、こうした車体や台車の軽量化と高出力直噴式エンジンと効率の高い液体式変速機の組み合わせにより、電車並みの走行性能を実現しました。
ブレーキシステムは電車で実績があり、応答性の高い電気指令式が採用しており、当然冷房装置も搭載されました。
キハ110形は両運転台車、キハ111形は片運転台車(トイレ付)、キハ112は片運転台車(トイレ無し)となっています。
200番台車は、1993年2月以降に増備されたマイナーチェンジ車で、キハ110形50両、キハ111形・112形2両編成21本の計92両が導入されました。(特急「秋田リレー仕様」300番台からの編入車を含む。)
外観上では、側扉の引き戸化に加え、踏切事故対策として運転台部鋼体が250mm延長・強化され、乗務員室と側扉の間が広くなりました。
また、キハ110形・キハ111形については、ロングシートの一部が車椅子スペースに変更されました。
300番台からの編入車については、他の200番台車と比べて、天井の蛍光灯カバーやデッキ・窓枠の物を置く面台、トイレなどで一部違いがあります。
八高線の非電化区間を走行する列車(高麗川-高碕間)では、高碕車両センターに配置されるキハ110系200番台が使用され、2両編成または3両編成で運用されています。
↑ 高崎車両センターに所属し、通常は2両から3両で運用されています。
↑ 軽量化と高出力なエンジン・効率の良い液体変速機の組み合わせで、電車並みの加速を実現しました。
↑ 前面は貫通式で、需要に応じた編成が組んでの運用が可能。
↑ 高麗川駅で停車、折り返し運用で出発を待つ2両編成。
↑ 運転台付近側面の様子。
↑ 側面の様子。
↑ 高崎線の列車は、基本的にすべてキハ110系で運用されています。