★当ブログの過去の記事を再編集し、2017年8月に高碕地区を訪問したときの記事をまとめました。
午前中、高崎〜前橋間で211系などを撮った後、高崎から上信電鉄に乗りました。
上信電鉄には、過去も何度か訪問してきますが、自社車両や元西武の古い車両が今も走っており、いつ引退になるか分からないので、この機会に少しこれらの車両を撮ることにしました。
上信電鉄がJRから107系を購入し、これらの古い車両を置き換えることについては、このときはまだ自分は知りませんでした。
本当は終点の下仁田までいきたかったのですが、資金も少ないので、吉井駅まで行って、そこで列車の写真を撮ることにしました。
上信電鉄高崎駅の構内に入ると、ホームの先に電車を改造した休憩所がありました。
ここのホームは、高崎駅の旧1番ホームの南側端に頭端式ホーム(0番線)が1本あるだけで、列車は1編成しか入れません。
上信電鉄の改札口は、ホームの北側に隣接する形で設置されていて、駅構内といっても、上信電鉄のスペースは、細長く狭いです。
列車を待つ乗客が座るベンチはありますが、待合室はありませんでした。
沿線の富岡製糸場が世界遺産に登録され、増加する利用客に対応する為か、2015年に廃車された電車を改造し、「電車型待合室」として一般客に解放されてるそうです。
待合室に改造されたのは200形デハ203で、老朽化のために2013年に廃車となり、そのまま高崎検車区に留置されていました。
改造は、地元の群馬県立高崎産業技術専門学校の訓練生の方が行われたそうで、テーブルやJR車両の廃車派生品のシートなどが室内に設置されています。
一般家庭用のエアコンも取り付けられていて、夏も快適です。
現役時代は非冷房だったデハ203は、廃車後に冷房化されたことになります。
なお、この「電車型待合室」は、線路の上に乗っています。
上信電鉄高崎駅構内に設けられた、「電車型待合室」の室内に設置された座席です。
JR車両の派生品を流用したものですが、これは211系グリーン車の座席ですね。
かつて、211系のグリーン車を利用したことのある方なら、すぐに気がつきます。
座席の後ろに取り付けてあるテーブルには、スイカグリーン券の使い方を示した張り紙もそのまま残してありました。
211系のグリーン席は、特に乗り心地が良く、非常に快適に過ごせたのを覚えています。
現在のE231系やE233系も同様ですが、2階建のグリーン室は荷物を載せるスペースもないし、屋根も低くなんとなく窮屈な感じがしますが、211系の平サロは荷棚もあり、室内も広々して快適だったので、まだ211系のグリーン車が走っていたときは、自分は極力平サロを選んで乗っていました。
懐かしかったです。
上信電鉄のクハ304です。
高崎駅に隣接する車庫に単体で休んであました。
茶色に塗装されていますが、カッコいいですよね。
デハ204とペアで運用されるのが基本らしく、デキ1形電気機関車のイベント運転用として、国鉄の旧型客車をイメージしてぶどう色2号に塗装変更されています。
但し、必ずペアがデハ204とは限らないようで、今年7月にはデハ252と連結して運用されていました。
訪問したとき、デハ204の姿は確認できませんでした。
上信電鉄のデキです。
今年7月にデキ1の屋根の上が炎上し、消化剤が巻かれるという情報がありました。
電鉄側から何も発表も特に聞いていないので、おそらくデキ1は無事でリカバリーもされていることと思います。(詳細は分かりません)
8月の中旬に高崎を訪問したときは、写真のとおり、車庫で2台仲良く並んで休んでいました。
まだ重連運転をまともに撮っていませんが、その際の相棒(ぶどう色に塗装されたデハ203+クハ304)も107系の入線によりいつ廃車になるか分からないです。
高碕駅構内に隣接するの車庫にある2軸貨車、テム6です。
今は倉庫代わりに使用されていると思いますが、これが残っていることも、かつて上信電鉄でも貨物輸送を行っていた証しです。
高崎から上信電鉄に乗り、11.7Km先にある吉井駅で下車しました。
自分が上信電鉄の列車を撮るときは、吉井駅か上州福島駅で下車することが多いです。(と言うほど訪問している訳ではありませんが。)
無人駅や駅員の時間配置、休日の無人化などが多くの駅員で実施されている中、吉井駅は平日・土休日に関わらず、駅員が配置されています。
ここでは2時間半程度滞在しましたが、訪れた午後の時間帯は上下とも1時間に2本程度走っていて、使用車両は形式も塗装も列車毎に異なるので、飽きることなく楽しめました。
吉井駅のホーム側から見た駅舎の様子です。
昭和の時代にローカル駅でよくみかけたタイプです。
吉井駅構内の様子です。
上信福島駅や下仁田駅なども同様ですが、こうした昔ながらのローカルな雰囲気が気に入っています。
構内は1面2線の島式ホームを持ち、その北側に1本側線があり、列車交換も度々行われています。
南側にもホームらしきものがありますが、現在は使われておらず、保線区の資材置き場になっていますが、かつては貨物扱いのホームだったように思えます。
かつて、駅舎は現在よりも西側の踏切付近にあり、1940年代に道路拡張工事に伴い現在の位置に移ったそうです。
駅構内の東側の踏切近くで、行き交う列車を撮ることにしました。
上信電鉄200形クハ303です。
1969年に製造された2次車のうちの1両で、以前はかなり派手な装飾を施した広告車になっていましたが、それも解除され、現在はクリームに緑の上信カラーとなっています。
誰かとパートナーを組まなければ運用できないトレーラーですが、現在は250形デハ251と連結して、ほぼ固定状態で運用されているようです。
冷房装置はバスタイプのものが搭載されています。
もう車歴から考えて、おそらくこの車両も今回の107系譲渡に伴い、廃車となる可能性が高いですね。
上信電鉄250形デハ251です。
250形は、1981年間に導入された20m級3扉車で、前面貫通式の両運転台車です。
200形との併結運転が設計時から考慮され、歯車比や連結器の高さなどが200形と同じ設定となり、常用ブレーキも200形と同じものが採用されました。
2004年に営業運転の列車が2両編成に統一された後は、検査時などを除きクハ303とべアで運用されています。
相棒のクハ303が西武所沢車輌製で、屋根上や側面の窓が801系など当時の西武車両に準じた設計となっているのに対して、デハ251は新潟鐵工所製で同時期に製造された1000形や6000形に近い車体の設計となっています。
現在塗装は統一されていますが、車体形状や断面が異なる2つの車両がペアを組んで走る姿は、マニア的には非常に興味が惹かれます。
上信電鉄の「ぐんまちゃん列車」です。
500系(元西武鉄道N101系)のクモハ501-クモハ502編成に「ぐんまちゃん」のラッピングを施したもので、上信電鉄の創立120周年を記念して、2015
12月末からこのデザインで運行されています。
ぐんまちゃんは、ここ群馬県のマスコットで、2014年のゆるキャラグランプリで優勝し、一躍有名になりました。
上信電鉄では、最近私鉄で流行っている「鉄むすめ」キャラクターを設定していますが、車両の側面にはぐんまちゃんと鉄むすめ(富岡しるく)のコラボしたデザインが描かれています。
車内もぐんまちゃんの富岡しるくのデザインが装飾されているそうですが、残念ながらこの日は乗車する機会はありませんでした。
上信電鉄500形の クモハ503-クモハ504編成です。
500形としては第2編成になりますが、マンナンライフの広告車となり、真っ赤な塗装を施していました。
上信電鉄500系は、元は西武の101系で、秩父の山岳路線を走行するため定格出力150kWの大出力電動機を搭載し、しかも全電動車となっています。
上信電鉄の路線では力を持て余し気味となるばかりでなく、他の列車との力行タイミングが重なった場合の変電所容量不足が心配されましたが、限流値設定の調節(抑制)とダイヤの工夫によって、この課題をクリアしています。
上信電鉄の150形の第3編成です。
元西武鉄道モハ756+モハ755の中間車で、西武鉄道で廃車後に制御車(クハ1756・クハ1755)の運転台が移植され2両編成となり、合わせてワンワン対応工事なども実施さらたうえで、上信電鉄に1996年に移籍されました。
上信電鉄の車両は広告車になっているものが多いのですが、この車両も現在は「下仁田ジオパークラッピング列車」となって運用されています。
上信電鉄の150形第2編成です。
元西武鉄道801系で、こちらも前回紹介した第3編成同様、中間車からの改造車で2両編成化されたものです。
上信電鉄の広告車は、塗装やラッピングを変更する頻度が高いような気がしますが、この編成は1997年からずっとこの塗装です。
群馬サファリパークの広告車で、自分はずっと「シマウマ」塗装だと思っていましたが、ホワイトタイガーを模したものだそうです。
西武鉄道からの譲渡車である150形は、現在2両編成3本が在籍していますが、車歴から考えて、JR東日本から譲渡された107系に置き換えられる確率はかなり高いと思われます。
107系による同鉄道の車両の置き換えが一段落した段階で、もう一度ここを訪問しようと思っています。