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鉄道車両に関する記事・鉄活動記録の他、模型の紹介なども掲載していきます。

JR東日本 E351系

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↑ 中央本線の「スーパーあずさ」で運用されていたE351系

E351系は、中央本線で運用されていた 183系・189系の老朽化による代替え、及び高速化を目的として開発・導入された特急形電車で、1993年に登場しました。

整備の進む高速バスとの競合相手に対抗し、急曲線急勾配の続く中央東線でのスピードアップを図るため、JR東日本としては初の「制御付き自然振り子装置」が採用されました。

山岳路線である中央本線新宿駅松本駅間)では、最高速度で運転されている区間は全体の約 16%程度しかなく、逆に曲線での制限区間は約 40%にも及んでいたことから、曲線部分でも速度向上がスピードアップの必須条件とされていました。

183系・189系での運転最高速度は 120km/hで、曲線通過速度はカントの打上などにより本則+15km/h としていましたが、E351系では最高速度が 130km/hとなり、曲線通過速度(振り子装置の使用時)では本則+25km/h に引き上げられ、新宿駅松本駅間は最速2時間30分(183系・189系では2時間42分)に短縮されました。

車体は 651系同様の普通鋼製車体ですが、軽量化と振り子装置による車体傾斜時に車両限界を超えないために、車体断面形状は卵形に大きく絞られました。

基本編成と付属編成が連結した際、両端に連結される先頭車は非貫通構造とされ前面に   LED式の大型表示器が設置されましたが、中間車となる先頭車については貫通構造となり、連結時に通り抜けが可能となる自動幌装置が搭載されました。

客用扉は乗降時間の短縮を図るために各車両の両端2ヶ所に設けられ、屋根の上の機器はパンタグラフなど必要最小限に削減されました。

制御・電装機器では、IGBT素子(量産先行車は逆導通 GTOサイリスタ素子)によるVVVFインバータ制御により、電動車(M車)1両に4基装備された定格出力 150kWのかご形三相誘導電動機を駆動し、12両中の MT比率は 6M6T とされました。

E351系で採用された「制御付自然振り子装置」は、曲線通過時の車体傾斜をコンピューター制御するもので、予め登録された路線情報を基に、ATS地上子の位置情報を利用して適切な位置で傾斜が行われることから、381系などの曲線通過の遠心力のみに頼る「自然振り子式」よりも「振り遅れ」と「揺り戻し」が抑えられ、乗り心地の改善が図られました。

台車は空気ばねを用いたボルスタレス台車で、ヨーダンパも装着されました。

ブレーキ装置は回生・発電フレンディングブレーキ併用電気指令式ブレーキが採用され、耐雪ブレーキや抑速ブレーキなども装備されました。(量産先行車では、発電ブレーキは量産化改造の際に装備)

まずは 1993年の秋に1次車(量産先行車)の2編成(基本8両+付属4両=12両編成)の 24両が製造され、走行試験などを経て、同年 12月から 183系あずさと同じダイヤで営業運転を開始しました。

翌 1994年7月からは振り子装置の使用も開始され、同年 12月からはスピードアップも図り、愛称も「スーパーあずさ」と改められ、4往復の本格的な営業運転に入りました。

その後、1995年から 1996年にかけて、2次車(量産車)3編成(基本8両+付属4両)36両が増備されました。

1次車も2次車に準じた改造が行われ、1996年3月のダイヤ改正から、「スーパーあずさ」は8往復体制となり、更に 2004年には9往復となりました。

E351系は、中央本線特急の高速化という点においては一定の導入効果を出しましたが、制御振子装置という特殊設計の維持・管理に莫大なコストがかかることから、こうした機器の老朽化にともない、導入から20年程度を経過した段階で後継の新型車両(E353系)に代替えされることとなりました。

E353系への置き換えは、まずは2017年12月に「スーパーあずさ」8往復のうち4往復で実施され、残る列車も2018年3月のダイヤ改正で全て置き換えとなり、E351系はその後4月に実施されたイベント列車をもって営業運転を終了しました。

廃車も同時期の2017年12月から2018年4月までの間に行われ、60両全車が解体となり形式消滅しました。

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 ↑ JR東日本としては、最初で唯一の「制御付自然振り子装置」が導入された車両となりました。

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 ↑ 1993年に登場、基本+付属12両編成、計60両が製造されました。

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↑ 維持管理等のランニングコストが高額のため、22~25年程度でE353系に置き換えられました。

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 ↑ 上諏訪駅を通過するE351系

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 ↑ 非貫通の前面には 651系同様に LED式の大型表示機が設けられました。

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 ↑ 基本編成と付属編成の連結部分 その1

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 ↑ 基本編成と付属編成の連結部分 その2