CHIBA TRAIN NET

鉄道車両に関する記事・鉄活動記録の他、模型の紹介なども掲載していきます。

JR貨物 EF210

f:id:chibatrain:20170224174511j:plain

↑ JR貨物の平坦路線向けの直流形電気機関車として登場したEF210。

MENU

概要

EF210 は、従来の標準機として運用されてきた EF65 が登場後 30年以上を経過し、老朽化が進み置き換えが必要となってきたことから、後継機として開発された、JR貨物の平坦路線向けの直流形電気機関車です。

導入にあたっては、東海道山陽線系統の 1,300 t コンテナ貨物列車運転拡大に対応できることを前提として開発されました。

JR の機関車としては、初めて愛称が採用され、公募の結果、「岡山(機関区)に所属する省電力大出力機」であることから、「ECO-POWER 桃太郎」と命名されました。

1996 年の試作機を経て、量産車は 1998 年から増備が開始され、2000 年には改良型の100 番台が登場、2012 年には山陽本線瀬野―八本松間の補機用として 300番台も登場しました。

導入以降、毎年増備が続けられ、2020年3月現在で、106両が新鶴見機関区・吹田機関区・岡山機関区に配属されています。

運用は、東海道山陽本線系統を中心に、東北本線黒磯駅高崎線倉賀野駅中央本線八王子駅京葉線線の蘇我駅鹿島線鹿島サッカースタジアム駅など関東・首都圏の広域で使用される他、2002 年3月以降は瀬戸大橋線を経由して高松貨物ターミナル駅新居浜駅などに乗り入れるなど、かなり広範囲となっています。

f:id:chibatrain:20170224174532j:plain

↑ タキ専用列車を牽引して京葉線蘇我駅に到着した、EF210-152

f:id:chibatrain:20170224174542j:plain

↑ コンテナ専用列車を牽引して東海道本線名古屋地区を走行するEF210

試作機

f:id:chibatrain:20170224175523j:plain

↑ 1996年に登場したEF210の試作機。2005年に量産化改造が実施されています。

試作機(901 号機)は、1996年3月に新製され、新鶴見機関区に配属、各種試験が実施されたのち、1997年8月に岡山機関区に転属しました。

量産機とは、車体側面1エンド側のルーバー形状や屋根昇降ステップの位置が異なる他、運転席窓の側面や運転台周りの塗装が若干異なります。

1987年に登場した EF200 形機関車では、当時の貨物輸送需要の拡大に対応するため、国鉄・JRの機関車では最強となる 1,600t 牽引を可能とし、VVVF インバータ制御の採用など当時の最新技術を盛り込まれました。

しかしながら、1994 年には量産化も行われましたが、当時計画された 1,600t 牽引は変電所の構造の問題やその後の景気の落ち込みによる貨物輸送の減少などのため実現せず、 EF200 は本来の性能を出出し切れずに出力を落として運用される形となりました。

こうした反省から、EF210 の導入にあたっては、変電所容量を考慮した上で所定の牽引性能が確保できる出力設定とされ、性能的にも従来機を置き換えることができるレベルとされました。そのため、EF200 同様 GTO 素子を用いた VVVFインバータ制御方式が採用されましたが、国内機関車では初となる、1台のインバータで2台のモーターを制御する 1C2M 方式が採用され、1時間定格出力は 3,390 kWとなりました。( EF200 の1時間定格出力 6,000kW を大きく下回った。)

一方で、1,300t 牽引で関ヶ原の連続勾配を登坂するためには、3,500kWレベルの性能が必要となるが、これに対応するため、新たに「30 分定格」という概念を採用し、この30 分定格で 3,540kW の性能を確保する仕様となりました。(関ヶ原を通過する 30 分の間だけ 3,500kW の性能を出せれば良いという考え方。)

901 号機は、2005 年3月に量産化改造が実施され、主電動機は当初 FMT3形(565kW)を搭載していましたが、量産機と同じ FMT4 形に変更され、歯車比なども量産機と同一になりました。パンタグラフは下枠交差形の PS22D 形を登場以降ずっと搭載しています。

f:id:chibatrain:20170224175606j:plain

 ↑ 新鶴見を出発するEF210-901号機の牽引するコンテナ列車です。

f:id:chibatrain:20170224175621j:plain

↑ 千葉機関区で見かけたEF210-901号機、側面の塗装の塗り分けが量産機とは異なります。

f:id:chibatrain:20170224175641j:plain

↑ 側面の様子 その①

f:id:chibatrain:20170224175653j:plain

↑ 側面の様子 その②

f:id:chibatrain:20170224175704j:plain

↑ 側面の様子 その③

基本番台

f:id:chibatrain:20170427160239j:plain

 ↑ EF210の量産機は、1998年に登場しました。

量産機は、試作機での試験・運用を踏まえ 1998 年7月登場しました。

試作機同様、GTO素子を用いた VVVFインバータでかご形三相誘導電動機をシステムが採用されました。

駆動装置は吊り掛け駆動方式、ブレーキ方式は発電ブレーキ併用の電気指令式ブレーキが採用され、関ヶ原付近の 10 ‰連続下り勾配において 1,300t 貨物を抑速運転できる性能を持っています。

台車は軸梁式ボルスタレス台車の2軸ボギー台車で、ヨーダンパが取り付けられています。

試作機と異なる点としては、主電動機が同一出力ながらより小型に改良された FTM4 形(585kW)が採用されたことで、この主電動機は以降の新型電気機関車にも採用されています。

「ECO - POWER 桃太郎」のロゴマーク(小形)は助手席側窓下に小さく描かれています。

EF210 の量産車は基本番台として 18両が製造されましたが、その後の増備車は改良形の100 番台車となりました。

f:id:chibatrain:20170224182147j:plain

↑  京葉線蘇我駅に到着する、EF210-11号機。

f:id:chibatrain:20170224182229j:plain

↑ 基本番台車のパンタグラフは、試作機と同じ下枠交差式のPS22D形を搭載しています。