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残念ながら、久留里線末端区間の廃止/バス転換が現実味を帯びてきました。

↑ 2012年2月にキハ30が上総亀山駅に到着したときの写真(イベント列車)

JR東日本が久留里線末端区間(久留里~上総亀山間)について、3月9日(木)にバスなど他の交通手段への転換協議を自治体に申し入れたとの報道がありました。

コロナ禍以降で本格的な地方交通線の存廃問題が議論される中、遂にJR東日本管内でもバス転換などへの具体的な動きが開始されたということで、日経新聞では翌日の第2紙面に掲載されており、この記事の注目度の高さが伺えます。

久留里線末端の廃止/バス転換の件は、おそかれ早かれ具体的な話になるだろうと想定されていたので特段の驚きがありませんが、フアンとしては非常に残念です。

JR東日本が2022年夏に公表した輸送密度2000人未満の赤字線区の中で、2019年度(コロナ禍前)の数値では、久留里線(久留里~上総亀山)の営業係数(100円稼ぐためのコスト)は15,546円で、第2位の花輪線(荒屋新町~鹿角花輪)10,196円を大きく超えて第1位となっています。(営業係数で10,000円以上となっているのはこの2線のみ)

2021年度(コロナ禍後の数値)では、久留里線の同区間の営業係数は19,110円で、観光需要の落ち込みで第1位となった陸羽東線(鳴子温泉~最上)の20,031円に次ぐ第2位となり、実質的にJR東日本管内の最悪の赤字路線と言える状況です。

国土交通省では、「鉄道事業者と地域の協議による地域モビリティの刷新に関する検討会」を2022年に実施し7月に提言を出していますが、この中では「危機的状況にある線区については、鉄道事業者と沿線自治体は相互に協働して必要な対策に取り組むことが急務」とされています。

昨年JR各社が赤字路線の収支を公表したのもこの流れによるものかと思われますが、今後はその他の路線でも存廃の議論が活発となり、国鉄末期以来の地方ローカル線の大規模な淘汰が今後行われるのは避けられない状況です。

久留里線の当該区間については、近くに亀山湖などはあるものの観光需要はほとんど期待できず、他の赤字路線同様にマイカーの普及も進んでいますので、今後様々な上下分離などの様々な対策をとってもこれだけの収支改善を図るのは非常に困難かと思われます。

久留里線は2012年のダイヤ改正で大幅な合理化が実施され、タブレット閉塞式を特殊自動閉塞式に変更、車両は旧国鉄時代からのキハ30形・キハ37形・キハ38形からキハE130系に全面的に置き換えとなり運用車両数も少なく効率化され、ワンマン運転も開始されました。

このとき、総亀山駅では無人駅となり構内は1面1線となり留置線も廃止されました。

2014年のダイヤ改正では上総亀山発着の列車が一部久留里折り返しとなり日中の列車が大幅に削減されましたが、2017年のダイヤ改正でも更に久留里-上総亀山間の列車削減が進みました。

現在、久留里線の列車交換設備は横田駅と久留里駅にしかなく、久留里から先の駅は全て1面1線の駅なので、列車は1編成しか乗り入れできません。

鉄道会社としても、やれるだけのコストカットは行っているようです。

今後の動きに注目したいと思います。